首上下のシチュボ感想ブログ

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【感想】真・罵倒CD1(cv.森川智之、立花慎之介、安元洋貴、遊佐浩二)

 こんにちは、首上下です。[8]

 

 変化球系シチュボ、足りていますか?

 

 最近の「厳しめ」や「ギャグ」のシチュボは同人作品が多く、成人向けがほとんどかと思います。全年齢作品が減っている中、多くの作品が設定を凝らしても、恋愛自体は王道を貫いているような気がします(ポケドラ一般コーナーを見ての所感です)。

 

 意識して面白系を集めていた記憶はありませんが、このレーベルはそういったモノばかりだな…と感じたのがフロンティアワークスさんです。

 

 今回は一味違ったシチュボを紹介します。

 

「真・罵倒CD1」(cv.森川智之立花慎之介安元洋貴遊佐浩二)敬称略

 

 こちら罵倒シリーズの3作目です。相変わらず1から紹介しない不親切さですが、本作について書いていきます。

 

 罵倒シリーズの1作目は、「愛ある罵倒!」というタイトルです。それが2まで続き、「もっと罵倒されたい!もっと厳しめで良い!」という声(が本当にあったのか?)に応えて、よりドM向けに作られたのが真・罵倒CDです。

 

 「愛ある罵倒!」の1巻に出演した森川さん立花さん安元さんに加えて、遊佐さんの4名が別々の世界のキャラクターを演じています。1作目とは違ったキャラであり、また話もつながっていないので好きな巻、好きなキャラからお聴きいただけます。

 

 ただ、よりドM向けになったということで、時には理不尽に、苛烈に、冷酷に罵られています。このシリーズを聴いたことがない人はまず「愛ある罵倒!1」がおススメです。キャストトークが特に面白いので。

 

 それでは個々のキャラの感想を。

 

 まずは森川智之さんの演じる保健室の先生。

一見優しそうな先生ですが、生徒が退室するやいなや悪態をつきます。主人公に至っては嫌悪を隠すことなく面と向かって罵倒。何もないところで転ぶ主人公をどんくさい、ブスと評し、「お前みたいなヤツと結婚したがる奴はいない」というニュアンスのことを言います。

明らかにそこまで言う必要はないのですが、とにかく罵り続けるので、どんだけ主人公はドジっ子なんだ…と思ってしまいます。ただ、今作は無印の正当な(?)罵倒とは違い理不尽な罵倒も多いので、先生が天邪鬼な性格である可能性が高いです。

 

個人的に、森川さんは敬語キャラよりもちょっと口の悪いキャラの方が好きなので、この先生はかなり好きでした。保健室の先生なのに口が悪く、天邪鬼。良いキャラです。

 

そしてトラックを分けて甘めのパート。今作の甘パートはとってつけたようなほのかな甘さで、本当にドMな人が脚本書いたんだな…と思うほど薄味です。無印の方が糖度の高めなので、そこも含めてやはり真罵倒は経験者向けです。

 

ちなみに他キャラに比べると一番良心的な気がします。

 

 

 続きまして、立花慎之介さん演じる王子

 王子は召使に辛く当たるようですが、主人公には特に厳しく、理不尽な破壊や暴言が目立ちます。

少しでも掃除に不備があると窓ガラスを割り、貧民街出身の主人公に元の貧しい生活に戻るか脅します。「春を売り、色んな貧しい男の相手をしなければなくなり、最後はズタボロになって捨てられる。」全年齢作品でありながら、なかなか直接的な表現です。

暴言の威力はあまりないものの、シンデレラのお姉さま方のような叱り方が特徴的です。

 

そして次のトラックの甘めパート。今作4つのうちでは一番糖度高めな気がします。掃除のせいで荒れている主人公の手を慈しむ王子。自分のせいで傷ついたのだから、どんな状態であろうと良いとする態度は(拡大解釈)、ヤンデレの片鱗を垣間見せますね。

 

お次は安元洋貴さんのホスト。もう最高最高最高最高。

主人公はホスト初体験。そこで安元さん演じるホストを指名しましたが、ホストは主人公を見るなり嫌がり接客拒否。ホスト曰く「ブス」「ドブス」「不細工」「身の程を知らない」と、もうとにかく顔が気に入らない様子。雑な接客をしながらフルーツや酒を勝手に頼み、主人公に面白い話をしろと無茶ぶりをし、水をかける始末。周りのスタッフや客の反応はあまりありませんが、かなりいたたまれない空気だったことでしょう。

他のどのキャラよりも理不尽に主人公をなじり続けますが、安元さんのド低音で罵倒されると心地いいです。

 

 こんな他作品(しかも同人成人向け)と比べることは良くないかもしれませんが、Bone Cageさんの「復讐サロン」の東江が好きな人はもしかすると好きかもしれません。あれは復讐モノですし、R-18Gなのであまり同一に扱うのは良くないとは重々承知しておりますが、ホストを聴いている時に頭によぎりってしまったので…

最近のがるまに人気なら復讐サロンを知っている人も多いかと思いますので、真罵倒を聴くきっかけになれば。

ちなみにホストは直接暴力を振るっていません。

 

甘めパートはもう一声欲しかった印象です。実はそういうプレイだったというネタばらしは良いのですが、なんせ初対面の客とホスト。急に甘さ全開にはできないにしても、ただ「実はこうだったよ~」の説明だけで終わってしまっています。強いて言えばちょっと犬っぽさのある安元さんが可愛いかな。

 

ここまで甘さを控えられると、脚本の方が「罵倒にいちゃパートは邪道」と思っている罵倒過激派の可能性が出てきます。

 

長々と書きましたが、ついに最後は遊佐浩二さんのお菓子の妖精です。

遊佐さんが妖精さん!確かに他のCDでも妖精を演じていますが(セラピア)、なんとなくイメージと違っていて面白いです。

肝心の罵倒ですが、ダイエットすると決めた主人公がお菓子を食べようとしているのを見て苛烈になじります。

正直に言うと、ダイエット関係のお話はあまり心にはこないんです。シチュボの中にはダイエットをテーマにしたものも多いのですが、聴くたびにどこか他人事という感じで、あまりしっくりこないんですよね。最近はルッキズムが進みすぎてみんな既に痩せていたりして、こういったテーマも減っているのではないかと思います。

 

話を戻して、遊佐さんの罵倒。遊佐さんは罵倒するキャラクターが似合いすぎていて、もはやリズムを感じるレベルです。小気味いい。みなさんが遊佐さんの罵倒を想像したときのイメージまんまだと思います。

特にゲス笑いをするシーンは圧巻の演技力です。可愛さとゲスさが共存するカワイイ妖精さんとなっております。

 

それでは甘めパート。なんと主人公は目標以上にダイエットします。完全な目標達成です。

 遊佐さんがキャストトークで「ダイエットを成功させてしまうなんて、罵倒どころか良い妖精になってしまった」と言う通りです。妖精も太っている時とはうってかわって優しくなります。ただ、痩せているから優しくしているのか、主人公が頑張ったから優しくしているのか判別が辛いです。さらに、ダイエットが成功すれば消えてしまう妖精と人間の間の甘さとは何かを、つい考えてしまいました。

 

 全体としてやはり罵倒中心のCDです。甘さは罵倒に耐性のない人向けの救済措置であり、メインではありません。4人の多様な罵倒が楽しめるCDとなっております。

 

 今回のキャストトークは1人1人が収録するリレー形式です。本当は無印のように全員で企画をやってほしかったですが…どんな気持ちで罵倒の演技をしているのか、他の声優さんの罵倒のイメージなどが聴けます。

 

 以上、首上下でした。